MARCHや早慶レベルにも対応できる『石川 日本史B講義の実況中継』の特徴とおすすめ学習法
科目 | 日本史 |
出版社 | 語学春秋社 |
目的 | 日本史の知識理解 |
対象者 | MARCH、早慶レベルで日本史を仕上げたい人 |
難易度 | MARCH~早慶レベル |
分量 | 全4冊 (362ページ、387ページ、437ページ、364ページ) |
使用期間 | 高3~夏休み明けごろまで |
ジャンル | 日本史 講義系参考書 |
・オススメポイント
日本史の詳しい知識が講義形式でわかりやすく学べる
・注意点
日本史をゼロから始める人にとっては細かすぎる内容まで網羅されているので、初学者は易しい参考書から始めること
どこの大学入試にも対応できる力が身につく
『石川晶康 日本史B講義の実況中継』は、どこの大学入試にも対応できる詳しい日本史の知識が分かりやすく網羅されている参考書です。河合塾の実力派講師石川先生による授業がそのまま文字起こしのような形で記載されている本で、タイトルに実況中継とあるようにこの1冊をしっかりやれば授業を受けているのと同じ効果が得られる画期的な教材です。
ただしかなり細かい知識まで掲載されているため冊数も4冊と多く、いきなりこの一冊目から始めるのは初学者にとっては厳しいところがあります。そこでこの参考書以外にもいくつかの資料集や問題集などを使って日本史をマスターしていく方が効率的です。今回の記事ではその詳しい学習方法や注意点についてお伝えしていきます。
最終的な到達点としてMARCHや早慶、国立大学の2次試験レベルの本格的な対策も可能になりますので日本史を入試科目として使う人は参考にしてください。
おすすめの日本史学習法
日本史の参考書にはいろいろな難易度のものがあります。注意すべきポイントとして、 全体像や流れがよくわかってない段階で細かすぎる知識を頭に入れようとしても効率が悪いということです。まずは基本的で重要な知識に絞って記憶し、出来事の因果関係や歴史的な文脈を大雑把にでも掴むようにしましょう。
最初の一歩目としておすすめの参考書は『金谷のなぜと流れがわかる本』および『スピードマスター日本史問題集』です。「金谷」の方は今回紹介する「石川」と同じ講義形式の本です。金谷を使って基礎をおさえて、その知識の確認としてスピードマスターの問題を解くことでチェックしていきましょう。
この2冊で日本史の全体像をつかんだら次に『一問一答』でさらに身につけた知識を整理してください。この段階でセンターや日大レベルの日本史問題を解く人が完成します。そして、MARCHや早慶レベルの対策に進む段階で 今回紹介する参考書「石川の実況中継」と、 『実力をつける日本史100題』取り組んでいく流れが最も効率的です。
付録の「講義ノート」の使い方について
「石川の実況中継」には、”講義ノート”という知識整理用の教材が付属しています。このノートは、石川の実況中継シリーズが全5冊だった時のサブノートよりも、全4冊になった現在の講義ノートの方が内容が充実していて使いやすくなっています。内容としては事実が列挙されているだけのまとめなので、 これ単体を教材として使うというよりは、ここに書いてあることをベースに自分で書き込んで知識を整理するためのオリジナルノートに仕上げていくという使い方が良いです。
ただし、ノート系の参考書として既に『日本史Bノート』を使っている場合は、石川の講義ノートはあえて使わなくても大丈夫です。 日本史Bノートをやっていなくて、一問一答だけ持っているという場合は、講義ノートを併用することで逆に日本史Bノートは不要になります。いずれにせよ自分でまっさらなところからノートを作るよりも、基本的な事項がまとまっているこれらのノートに書き加える形で活用することで体系的な知識を効率よく身につけることが可能です。ぜひ活用してみてください。
他の講義系参考書との違い
日本史の講義系参考書には、先ほども紹介した「金谷」の方もあります。講義を書き起こしたわかりやすい形式という意味では「石川」と同じなのですが、最大の違いはその難易度です。金谷の方が初心者向けに基本事項が抑えられているのに対して、石川の方はより詳しい早慶レベルまで対応可能な細い内容が網羅されています。
そのためいきなり石川の方を覚えようとすると全体像が見えなくなる恐れがあるので、必ず簡単な方から初めて概要を理解した上で細かい知識を身につけて行ってください。金谷の方に載っていて石川の方に載っていない内容はハイレベルな入試問題でしか聞かれないと考えて大丈夫です。
また同じ石川先生の著書に『教科書よりやさしい日本史』参考書もあります。 こちらは今回紹介した実況中継よりも大分易しい内容になっているので、日本史を全くゼロから学ぶという人はこうした参考書から始めると良いです。ただし基本的には、前述した「金谷」と「スピードマスター」から始める一連の参考書の流れにそって「石川」「実力をつける100題」へと進んでいけば十分効率的なので、この方法をおすすめします。
まとめ
石川先生の日本史B講義の実況中継は、どの大学にも対応できるハイレベルな知識が分かりやすく解説されています。講義で語りかけてくれる言葉そのままに収録されているので、点ではなく線として日本史の流れが体系的につかめるでしょう。
ただしいきなりこの参考書を読むと、日本史の初学者にとっては細かすぎて全貌がつかめなくなる恐れもあるので、今回紹介したいくつかの日本史教材を順番にこなすことでマスターしていってください。
講義型の参考書と問題集を併用して使うことで、全体像を見失うことなく知識を頭に入れ、問題を解くために必要な形でアウトプットおよび整理することが可能です。重要な基本事項から順番に押さえてどんな問題にも対応できる知識を身に付けていきましょう。