山口俊二 英文法 講義の実況中継 1|高校英文法を基礎から学びたい人におすすめ!特徴と使い方
科目 | 英語 |
出版社 | 語学春秋社 |
目的 | 英文法基礎理解 |
対象者 | 高校英語の基礎を学びたい人 |
難易度 | 基礎~センターレベル |
分量 | 251ページ |
使用期間 | 高2~高3の1学期ごろまで |
ジャンル | 英文法 講義形式参考書 |
・具体的なオススメポイント
講義形式で文法の解説が分かりやすい
・注意点
英単語を一通りマスター、あるいは並行しながら取り組むこと
高校英文法を基礎から学ぶなら『山口俊二 英文法 講義の実況中継』
『山口俊二 英文法 講義の実況中継』は、分かりやすい英文法解説書です。大学入試英語の講師として長年人気のある山口先生による講義をそのままテキストに起こした形式となっており、教科書や文法問題集を読んでもいまいち理解できなかった人にもすんなり理解できる内容となっています。
また、2015年に出版された増補改訂版では、これまで別売されていた問題集を別冊付録として収録。この問題集は、内容を理解した後の知識のチェックに役立つものになっているので、その点でもおすすめできる一冊です。
「大岩」より難しく、「NEXTSTAGE」や「FOREST」より易しい
大学入試で出題される英文法を解説した参考書にはいくつかありますが、今回紹介する山口先生の講義の実況中継は入門と標準の間を埋めるレベルに位置しています。中学で習うような英文法から基礎固めしたい人におすすめの『大岩のいちばんはじめの英文法』シリーズよりは少し難しいレベルを含みます。また、大学入試の英文法問題集として広く使われている『NEXTSTAGE』や『FOREST』よりは易しいレベルなので、これらの問題集を解くのが厳しいなと感じる人は講義の実況中継から取り組むのがおすすめです。
NEXTSTAGEやFORESTは問題のボリュームが多く、また難易度が高い問題も混じっているため、英文法の基礎理解が曖昧なところがあるとただの解答暗記で終わってしまう危険性もあります。しかし、文法を理解しないことには実力が身につかないので、基礎からきちんと理解したいという人は講義の実況中継を先にやってから、NEXTSTAGEやFORESTに進むのが良いでしょう。
講義の実況中継1は主に動詞の用法が学べる
講義の実況中継は、1と2の2冊からなるシリーズです。どちらも同じ著者の先生による講義の書き起こしになっているので、内容の分かりやすさや難易度は変わりません。ただし、扱っている問題が異なります。1では、主に動詞の用法についての解説がメインです。英語は基本的に、1文につき主語と動詞が1つしか出てきません。そのため、動詞の用法が分かれば文章の大意をつかむことが可能です。
まずは、「講義の実況中継1」で動詞の基本となる知識を身につけて、文の内容を把握できる実力を身につけましょう。また、文型についての解説もこの本で扱われています。特に第五文型の理解に重点が置かれていて、不定詞や分詞の理解とともに分かりやすく解説されているので良く読んで理解するようにしましょう。また、動詞の時制や、受動態、仮定法といった、丸暗記ではなく仕組みを理解しないと解け居ないタイプの問題についても解説があります。まずはこのテキストでこうした文法事項をマスターして、その後長文読解の演習に進んだ時に解釈に役立てるようにするのがよいでしょう。
選択問題はあてずっぽうではなく、解答の根拠を明確に
知識の理解を確認するための問題がついていますが、選択問題となっているため消去法やあてずっぽうが使えてしまうことに注意が必要です。問題演習はあくまでも、講義部分で説明されていることが正確に理解できているかどうかをチェックするために行うので、答えだけあっていてもあまり意味がありません。そうではなく、解答の根拠をしっかりと自分の言葉で説明できるかどうかに重点を置くようにしてください。その際、他の選択肢だとどこがいけないのか?もあわせて説明できるようなると、テストで高得点が取れる実力が身につきます。
また、復習する際には初見で解答の根拠が分からなかったものだけ、2周目に解けば大丈夫です。そして、2周目で再び間違えてしまった問題や知識が曖昧なものは、3周目、4周目という形で繰り替えし解いて知識を定着させていきましょう。完全に理解した問題については、時間をおいてたまに復習して確認するようにすると、知識が効率よく身につきます。なお、このシリーズには1と2の2冊がありますが、まずは「実況中継の1」の方をきっちり仕上げてから、「実況中継の2」に進むのがおすすめです。確実に解ける問題をひとつずつ増やしていくことで、テストで点が取りやすくなっていきます。
まとめ
今回ご紹介した『山口俊二 英文法 講義の実況中継1』は、大学入試で必要とされる英文法の知識が分かりやすく解説された参考書です。そのタイトルの通り、講義を実況中継するような形で書かれていて、英語が苦手な人でも理解しやすい構成になっています。大学入試用の英文法の標準的な問題集『NEXTSTAGE』や『FOREST』が難しく感じる人には、この山口先生の講義の実況中継から学習を始めるのがおすすめです。
実況中継で英文法の基本的な部分をマスターしてから、その次のステップとして標準の問題集を解いて知識を磨いていくようにしましょう。確実に理解でき、自分の言葉でしっかり説明できる文法事項が増えていくほど、テストで得点できる問題が増えていきます。解答の根拠を意識しながら、繰り返し学習して実力をアップしていってください。