数学の基礎固めならこの1冊!『チャート式基礎からの数学(青チャート) 数Ⅰ+A 新課程』の特長と学習法
科目 | 数学 |
出版社 | 数研出版 |
目的 | 数学問題演習 |
対象者 | 数学の基礎固めを完成させたい人 |
難易度 | MARCH・早慶やそれ以上のレベル |
分量 | 568ページ |
使用期間 | 過去問演習前まで |
ジャンル | 数学問題集 |
具体的なオススメポイント
網羅性が高く、入試に必要なほとんどの解法パターンの問題が掲載されている
注意点
解説があまり詳しくないので、数学が苦手な人は講義型の参考書を併用すること
基礎から応用まで網羅的に学習できる「青チャート」
『チャート式基礎からの数学 数Ⅰ+A』は、青チャートとして知られている数学の問題集です。チャート式には四つのレベルがあって、青チャートは上から2番目の難易度になっています。ただし、問題のレベルは非常に高く、掲載されている解法の種類だけで言えばMARCHや早慶、それ以上の国公立大学レベルの問題まで対応可能です。
チャート式問題集の特長は、問題の網羅性にあります。各単元において基礎となる問題から、中級レベルの問題、そして最難関大学にも対応できる難しい問題までもれなく掲載されていて、この一冊を全て解けるようになれば過去問演習に入っても良い程、様々なパターンの問題が学習できます。
ただし、解説についてはそれほど丁寧ではありません。初めて取り組む分野を青チャートだけで理解しようとすると難易度が高すぎて非効率ですので、まずは教科書の内容をきちんと理解し、その後解放パターンを増やしていく段階でチャート式に取り組むのがおすすめです。
初見で5割程度解ける人にはおすすめ
網羅性と難易度が高い青チャートですが、この参考書に取り組んでしっかりと実力がつくレベルは、目安として初見で5割程度解けるかどうかが一つの基準となります。2題に1題は自力でも解けるぐらいの基礎力がない段階で青チャートに取り組むのは少しタイミングが早いので、最初の何題かにチャレンジして全く解けないようであれば、一歩手前のレベルの問題集に戻った方が良いでしょう。
逆に初見で5割以上解ける場合には、正解率を8割、9割とアップしていくことで、入試で出題される数学の問題パターンを一通りマスターすることが可能です。自分が苦手な分野や、応用問題になると解けなくなってしまう単元があれば、その範囲だけ集中的に学習するのも効果的でしょう。まずは、自分のレベルが青チャートに取り組むのに適切かどうかを確認することをおすすめします。
数学が苦手な人は講義型の参考書を
青チャートの問題が初見でほとんど解けない場合には、講義型の参考書がおすすめです。というのも、青チャートの解説は問題の解き方が書かれているだけで、使用している定理の意味や、問題を解く際の考え方については詳しくありません。しかし、講義型の参考書であれば、その単元で出てくる基本的な定理や考え方について、授業で先生が喋る内容をそのまま文字起こしした形で学習できるので、数学が苦手な人にもスムーズに理解できます。
数学の講義型の参考書としておすすめなのはマセマシリーズの『初めから始める数学』です。こちらの参考書は、チャート式ほど網羅的ではありませんが、押さえておくべき基本事項が分かりやすく解説されています。問題の解き方も詳しく書かれているので、初めての単元でも問題なく学習が進められるでしょう。
数学の教科書の解説だけではいまいち内容が理解できない場合は、講義型の参考書を併用することで理解を深めることをおすすめします。
繰り返し学習して苦手を無くそう
青チャートに限らず、問題集を解くときは一回解いただけで終わりにするのではなく、時間をおいて再度解けるかどうか確認するようにしましょう。間違った問題は直後に一度解き直しをして、1週間後にまた解けるかどうか確かめるというサイクルで進めると効率よく学習できます。
青チャートに出題されている問題は、解法を覚えておくべき基礎となるものが多いため、数分考えて解き方の方針が思い浮かばない場合は答えを見てしまっても構いません。一題ごとにじっくり時間をかけるというよりは、その分野で出題される問題のパターンを一通り覚えるインプットを重視した学習をしてください。青チャートに載っている問題が全て解けるようになった段階で、MARCHや早慶レベルまでの過去問演習に入る準備が完了します。
後は、覚えた解き方のうちどれを使えば実際の入試問題が解けるか、問題演習を通して体得していくようにしましょう。過去問を解く中で基礎知識が曖昧なところが見つかったら、青チャートの該当範囲に戻って基礎の確認をすることで、苦手分野の穴をふさいでいくことが可能です。
まとめ
今回ご紹介した『チャート式 基礎からの数学 数Ⅰ+A』通称青チャートは、入試の数学で出題されやすいパターンを網羅した辞書的な用途で使える問題集です。数Ⅰ・Aの問題は、特に他分野との複合問題が出題されやすい範囲となっていますので、チャート式を使って出題される可能性がある問題パターンをもれなく押さえておくことをおすすめします。
ただし、基礎から応用までの問題が全て載っているため、数学が苦手な人にとっては学習が進めにくい場合もあります。もし、チャート式に乗っている問題が初見で5割以上解ける場合は大丈夫ですが、全く解けないという場合には講義形式の参考書と教科書を併用することで基礎的な内容理解から始めるのがおすすめです。
マセマシリーズの『初めから始める数学』などは、数学が苦手な人にも解説がわかりやすいため、チャート式の問題が難しい場合はそちらから始めてみましょう。これらの参考書で扱われている問題を繰り返し学習して解けるようになれば、入試で出題される応用問題にも対応できる実力が身につきます。