日大、MARCHレベルの数学演習に!『理系数学の良問プラチカ ⅠAⅡB』の特長と学習方法
科目 | 数学 |
出版社 | 河合出版 |
目的 | 数ⅠAⅡBの問題演習 |
対象者 | 日大・MARCHレベルの数学の基礎固めをしたい人 |
難易度 | 日大・MARCHの標準問題レベル |
分量 | 52ページ 150題 |
使用期間 | 高3 夏休みいっぱい頃まで |
ジャンル | 数学演習問題集 |
具体的なオススメポイント
良問がコンパクトにまとまっている
注意点
解説がシンプルなところがあるため、数学が苦手な人は注意。先に基礎問題をマスターした後
に取り組むべき1冊。
日大、MARCHレベルの良問を演習するならこの1冊
『理系数学の良問プラチカⅠAⅡB』は、河合塾から出版されている参考書シリーズの1つです。プラチカには3つの書籍があり、このほかに『文系数学の良問プラチカⅠAⅡB』と『理系数学の良問プラチカ 数Ⅲ』という問題集が出ています。
3つのシリーズのなかでは最も難易度が低く、日大・MARCHを受ける人ならやっておきたい標準レベルの問題が扱われています。
なお、タイトルに「文系」とついている方のプラチカの方が、今回紹介する「理系」のプラチカよりも難易度が高いので注意が必要です。
また、数Ⅲについては扱っている単元自体が異なります。プラチカシリーズはどの問題集も、入試の過去問演習前に解いておきたい良問が載っているので、身につけた知識を問題演習形式で定着させたい人には特におすすめです。
本記事では、理系数学の良問プラチカの特長や学習方法、このほかにやっておきたいおすすめの教材についてご紹介します。
基礎的な問題を一通りマスターした人向け
プラチカは、標準的な問題とその解き方がシンプルに掲載されている問題集です。そのため、講義形式の参考書と比べると解説が短く、途中式の計算過程や、なぜその解き方になるのか?といった解説が薄い箇所があります。
基礎的な問題や、必要な定理・公式を一通りマスターした人にとっては丁度よいレベルですが、数ⅠA、ⅡBを初めて勉強する人には難易度が高いため、おすすめしません。
数学をこれから勉強する受験生は、『基礎問題精講』や『標準問題精講』といった、より難易度の低い問題集から取り組む方が効率が良いでしょう。それらの問題集で基礎的な解き方をマスターしたうえで、さらに応用問題を解けるようにしたい場合はプラチカに進むといった順番が理想的です。
基礎知識が身についていない段階でやみくもに問題演習に取り組んでも、ただの解法暗記になってしまい応用力が身につかないので要注意です。
この参考書の前後で取り組みたい他の教材は?
理系数学の良問プラチカは、すでに理解している解法を初見の問題でも活用できるかどうかを試すためのアウトプット型の問題集です。そのため、基礎知識の理解や標準問題の解き方をインプットする用途では、別の教材から取り組んだ方が良いでしょう。
前述の『基礎問題精講』のほかにも、『文系の数学 重要事項完全習得編』やマセマシリーズの『合格!数学』などに先に取り組んでおくことで、プラチカに取り組んだ時の学習効率がアップします。これらの教材で基礎的な解き方をマスターした上で、問題や出題形式が異なる場合でも解けるようにする練習としてプラチカを活用するのがおすすめです。
なお、プラチカと同じレベルの問題集で、より解説が詳しいものとしては『入試の核心 標準編』などがあります。もし、プラチカの解答解説を読んでも、省略されていて理解できない個所などがある場合には、より解説が詳しいタイプの問題集と併用してください。
ただし、入試本番まであまり時間がない人は、あれこれ色々な問題集に手を付けるよりも、一通りの解法をマスターしたら過去問演習に移った方が、志望校入試での得点力アップにつながります。
「プラチカ数ⅠA、ⅡB」を使った学習方法
プラチカはアウトプット形式の問題集なので、解法を暗記するというよりは「なぜ、その解き方になるのか」という考え方のプロセスを理解するための学習が必要です。
そのため、少し考えて分からないからといっていきなり答えを見るのではなく、考えられる解法の候補や使う定理、問題文の条件式を自分なりに整理して、「何が分からないから解けないのか」を明確にしてから解答解説を読むようにしましょう。そうすることで、2周目以降、何に気をつけたら解けるようになるかが把握しやすくなります。
また、数ⅠA、ⅡBの問題は、受ける大学によっては分野をまたいだ複合問題が出ることも多いです。そのため、それぞれの単元でよく使われる解法がマスター出来たら、必ず過去問演習をして複合問題の解き方に慣れておきましょう。使える解法が増えるほど、応用問題に対応できる力が付きます。
なお、プラチカに限らず、数学の問題集は1周やって終わりにするというよりは、2周、3周と時間をおいて繰り返し解くのがおすすめです。初見で正解できた問題は2周目以降飛ばしてよいので、出来なかった問題については自力で解けるようになるまで反復演習しましょう。
まとめ
今回紹介した『理系数学の良問プラチカⅠA、ⅡB』は、日大やMARCHで出題される標準レベルの良問を集めた問題集です。この1冊で解法を覚えるというよりは、より難易度の易しい参考書で身につけた解法が実戦で使えるようにするためのアウトプット型の教材です。
『基礎問題精講』など、基本問題の解き方を一通りマスターした後に取り組むことで、初見の応用問題に取り組む際の考え方のプロセスが習得できます。ただし、解答解説がシンプルになっていて、数学が苦手な人にとっては理解が難しいところもあるかもしれません。
その場合は、同じようなレベルでより詳しい解説が載っている『入試の核心 標準編』などの問題集との併用をおすすめします。この問題集を繰り返し演習して、数ⅠA、ⅡBの問題で安定して高得点を取れる状態を目指してください。