MARCH、早慶以上のレベルにも対応!『1対1対応の演習 数Ⅲ 微積分編』の特長と学習法
科目 | 数学 |
出版社 | 東京出版編集部 |
目的 | 数学問題演習 |
対象者 | 数学が得意で得点源にしたい人 |
難易度 | MARCH・早慶やそれ以上のレベル |
分量 | 152ページ |
使用期間 | 過去問演習前まで |
ジャンル | 数学問題集 |
具体的なオススメポイント
解説の内容が深く、より難易度が高い問題にも通用する解き方が身につく
注意点
問題数とシリーズ冊数が多く、入試まで時間がない人にはおすすめできない
数学のハイレベルな実力を付けたい人向け
『1対1対応の演習 数Ⅲ 微積分編』は、数学のハイレベルな実力をつけたい人向けの問題集です。このシリーズは全部で6冊が出ていて、今回紹介するのは数Ⅲの微積の問題が扱われている1冊です。参考書の構成としては、最初に各単元のポイントとなる公式や定理などがまとめられていて、その後に例題が1つと演習問題が1つのセットになって掲載されている形です。
MARCHや早慶の数学はもちろん、それ以上の難易度の難関大学を目指す場合にも対応できるハイレベルな問題が集められています。教科書に載っている基本的な定理を一通り理解した上で取り組むことで、入試問題に対応できる応用力が身につくのが特徴です。
解説の難易度が高いのが特徴
1対1対応の演習シリーズで扱われる問題は、定理や公式、頻出問題の解法パターンを学ぶためのものなので、問題自体の難易度は標準的です。しかし、解説の内容が非常に詳しく、説明されている内容も難易度が高いものになっています。
問題を解くために必要な知識やテクニックを解説するだけにとどまらず、その分野の応用問題にも対応できるような本質的な理解を促す目的で書かれているため、解説を読んで理解するのが難しい場合が多いでしょう。このシリーズで解き方や知識をインプットした上で、さらに別の問題集で練習を積み重ねないと、得た知識を具体的にどう活用して問題を解けば良いのか分からないので注意が必要です。
1対1対応の演習は、解説を読んでいる時には「こんなに細かいことまで理解する必要があるのか?」と疑問に思ってしまうぐらい難易度が高いことが書かれている場合が多いです。しかし、同じ分野のより難易度が高い問題を解いた時に、解説の真価が発揮されます。1対1対応の演習で解説されている考え方は、さらにひねった応用問題でもそのまま通用する解き方なので、しっかり理解すれば応用問題への対応力が高まります。
入試まで時間がない人にはおすすめしません
1対1対応の演習シリーズは数Ⅰ、数Aから数Ⅲまで合計で6冊あるため、一通りやるには時間がかかります。高3になってから着手するには問題数が多すぎて消化しきれないので、入試まで時間が残されていない人にはおすすめしません。
また、例題と類題の難易度にギャップがあり、例題が解けるからといって類題の方もスムーズに解けるというわけではありません 。類題では、例題では使わない解法の知識を知らないと解けないものも含まれるため、実質的に2倍の問題数をこなさなければ一通りマスターできたことにならず、全て通してやるにはかなりの時間を要します。
そのため、このシリーズに着手する場合は、特に入試で応用問題が出やすい数Ⅲの範囲に絞って取り組むのがおすすめです。今、高二で十分に時間があり、しかも数学が得意な人であれば6冊すべてをマスターすることで相当な実力が身につきますが、そうでない場合は扱う問題を絞って学習するのが良いでしょう。
なお、1対1対応シリーズをすべて学習する時間がない人には、過去問に近い実践的な問題がわかりやすい解説とともに掲載されている『標準問題精講』の方がおすすめです。
『1対1対応の演習』で学習する時の注意点
1対1対応の演習シリーズを学習する際、問題に取り組む時間を意識するのがおすすめです。基礎的な知識は把握できていることが前提として、それらの知識のうちどれをどのように使えば解けるのか?を身につけるのが目的の問題集なので、分からないからといっていきなり答えを見てしまうと学習効果が低くなってしまいます。
1問につき最低でも10分くらいは解法を考えてみて、これ以上を解き方や方針が思い浮かばないという段階で初めて解答を見るようにしましょう。そして、自分がなぜ解けなかったのかを明確にすると、初見の問題に対応できる応用力が身につきます。たとえば、「必要な知識や公式が曖昧だった」「使う公式は合っていたが、式変形の工夫が足りなかった」など、正解にたどり着けなかった原因を言語化しましょう。この作業を繰り返すことで、数学の応用問題を解くための思考力が身につきます。
また、一回やって終わりにするだけでなく、できなかった問題は一週間後や一か月後など、時間をおいて復習するのがおすすめです。一度解いただけで放置してしまうと、頭ではわかったつもりでも、実際にやってみると解けないという状態になりがちです。解説を読んで理解した後は、再現できるかどうか自分の手で計算式を書いてチェックするようにしましょう。
まとめ
今回は、ハイレベルな実力が身につく数学の問題集『1対1対応の演習 数学Ⅲ 微積分編』の特徴と学習方法をご紹介しました。解説の難易度が高く、掲載されている問題よりもさらに上のレベルを解くために必要な知識が身につく参考書ですが、問題数が多くシリーズ全体で6冊出ているため時間がない人にはおすすめできません。
入試までに時間があり、数学が得意で得点源にしたい人向けの参考書ですので、今の自分の状況や志望大学の数学の難易度に合わせて、使うかどうか検討することをお勧めします。しっかりやり込めば、MARCHや早慶以上のレベルの難関大学の数学の問題も解けるようになるので、数学が得意な場合はチャレンジしてみてください。