物理が苦手な人でも分かりやすい!『宇宙一わかりやすい高校物理(力学・波動)』の特長と使い方
科目 | 物理 |
出版社 | 学研+ |
目的 | 物理の基礎理解 |
対象者 | 物理が苦手な人、これから物理の勉強を始める人 |
難易度 | センター基本レベル |
分量 | 428ページ |
使用期間 | 高2~高3一学期ごろまで |
ジャンル | 物理参考書 |
・具体的なオススメポイント
物理が苦手な人、これから物理の勉強を始める人
・注意点
基礎的な問題しか扱っていないので、志望大学のレベルに合わせて別途問題集の演習が必要
物理が苦手でも分かりやすい『宇宙一わかりやすい高校物理』
『宇宙一わかりやすい高校物理(力学・波動)』は、そのタイトルの通りとにかく解説が分かりやすい物理の参考書です。教科書と比べても解説が分かりやすく、物理に苦手意識を持っている人でも安心して取り組める内容です。これから物理の勉強を始める人や、授業についていけず焦っている人でもひとつひとつの単元を理解していくことができます。
本当に高校物理の参考書なのか?というくらい、ポップなイラストが描かれた表紙ですが、中身はしっかりした参考書です。また、分厚い見た目ですが問題数は少なく、やさしい基本的な問題が掲載されています。その分、解説にたっぷりページ数が割かれていて、一つの問題に対しての解説の分量は、図解なども含めると普通の参考書の2~3倍は載っています。物理の教科書や問題集を読んでも、いまいちよく分からないという人に特におすすめです。
イラスト解説が豊富でイメージがつかみやすい
見開きページの半分が解説、半分がイラストという構成で書かれているため、問題で扱われる物理現象や公式・定理の意味がイメージで把握できるつくりになっています。物理の問題は抽象的なものが多く、とくに波動の問題や力学的エネルギーの計算の問題はとっつきにくい人が多い分野です。こうした抽象度の高い問題も、イラストでわかりやすく解説されているため、数式を見ただけで難しい印象を持ってしまうという人にもおすすめできます。
物理の問題は、簡単なものであれば計算の仕方を丸暗記してしまっても対応できるようになります。しかし、そのやり方だとなぜその公式を使うのかが分からなかったり、少しひねった問題になると解き方が分からなくなってしまうという限界があります。自分の受ける大学の物理の難易度にもよりますが、簡単な問題をただ暗記するのではなく、その物理現象がなぜそうなるのかといった理解を深めたいときに、この『宇宙一わかりやすい物理』の解説を参考にすると役立つでしょう。
計算演習で知識を定着させよう
イメージをつかんだら、計算演習で知識を定着させることが大切です。一通り解説を読んで何となくわかったような感じがしても、実際に問題を解くとなるとどこから手を付けて良いのか分からなくなる場合があります。そのため、扱う物理現象のイメージや問題で聞かれる要点をつかんだら、その練習問題を繰り返し慣れておくようにしましょう。
この参考書には、別冊の問題集と、章末のチェックリストがついています。問題が解けるようになったら、章末のチェックリストも活用してその単元で理解しておくべき事項がきちんとすべて覚えられているかをチェックしてください。この学習をすることで、曖昧になっている部分や知識の穴が原因で問題が解けなくなることを防げます。
特に、物理を学習する際は、言葉の定義と、単位に注意しましょう。エネルギーや角速度、波動であれば位相などが、どのように定義されているか言葉で説明できるようにし、それらの単位を正確に記述することができれば、その単元についての理解が深くなります。定義が曖昧なところは、この教材のチェックリストを使って正確に覚えておくのがおすすめです。
この参考書が終わった後に取り組みたいおすすめ教材は?
『宇宙一わかりやすい高校物理』は、物理の各単元の基本問題をわかりやすく解説している参考書のため、実際の入試問題と比べると易しい問題が掲載されています。そのため、単元に対する理解がある程度進んだら、入試の過去問演習に入る前に何冊か、1つ上のレベルの問題集で演習を重ねるのがおすすめです。
この参考書が終わった後におすすめの教材としては、『重要問題集』や『物理のエッセンス』などが挙げられます。これらの問題集には、入試で頻出の典型的な問題がピックアップされて載っているため、一通り解けるようになることで入試で安定した点が取れるようになります。
ただし、入試で物理を使わない人で、とりあえず学校の物理のテストについていければ大丈夫という人や、足を引っ張らない程度に点が取れればよいという人は、この参考書に書かれている問題をすべて解けるようになることに集中する方が効果的です。
まず1冊を集中して理解して、余力があればほかの問題集を使ってさらに解ける問題を増やしていくという順番で学習すると、何冊もあれこれつまみ食いするよりも確実に点が取れるようになります。
まとめ
今回紹介した『宇宙一わかりやすい高校物理(力学・波動)』は、物理をこれから勉強し始める人や物理に苦手意識がある人におすすめのやさしい問題集です。解説はイラストや図解が豊富でイメージがしやすく、掲載されている問題も解きやすい基本問題がメインなので、これを1冊仕上げることで物理に対する苦手意識を克服することができます。
なお、この参考書で物理の単元についての理解が一通り済んだら、さらに実力を付けるために一段階上のレベルの問題集に取り組むことをおすすめします。繰り返し問題演習することで、物理の典型的な問題を反射的に解けるようにマスターしていってください。