物理がはじめてでも分かりやすい!『大学入試漆原晃の物理基礎・物理力学・熱力学編が面白いほどわかる本』の特徴と使い方
科目 | 物理 |
出版社 | KADOKAWA |
目的 | 物理の基礎理解 |
対象者 | 物理が苦手な人 |
難易度 | センターレベル |
分量 | 320ページ |
使用期間 | 高2~高3一学期 |
ジャンル | 物理参考書 |
具体的なオススメポイント
初学者にも解説が分かりやすい
・注意点
この教材をマスターした後は、ワンランク上の問題集にも取り組むこと
物理をゼロから学ぶ人にもおすすめ!『漆原晃の 物理が面白いほどわかる本』
『漆原晃の物理が面白いほどわかる本』は、物理をこれから学習する初学者の人にもおすすめの参考書です。その特徴は何と言っても分かりやすいイラスト解説。表紙は一見すると物理の参考書かどうかよくわからないようなポップなイメージになっていますが、中身の解説は非常に詳しいので初学者にもお勧めできます。
物理の問題集は、解説が詳しい講義型の参考書と、辞書のような形で頻出問題を網羅してあるタイプの参考書がありますが、今回紹介するのは 前者にあたります。これから物理の勉強をする人にとっては、問題の解き方というよりもそもそも何の物理現象を扱っているのかというイメージをざっくりつかんだうえで、公式で使われている言葉の定義や単位を正確に理解することの方が重要です。
その点で、今回紹介する参考書は、先生と生徒の対話形式という形をとりながら解説が進んでいくので、物理で扱われる問題のイメージが把握しやすい作りになっています。
解説はわかるところから読み進めていこう
物理をこれから学習する人にもオススメな「面白いほどわかる本」ですが、一部解説が非常に高度な内容を含んでいる箇所があります。これは説明が分かりにくいという意味ではなく、初学者が問題を解く上ではまだ必要がない知識について、先に取り扱っていることによるため、読み進めていくうちに後から「そういうことか!」と頭の中で話が繋がったりします。
ひとつひとつの内容が理解出来ない時はあまりこだわらず、8割程度の理解で先に進んで行くと効率的に学習が可能です。問題を解きすすめていくうちに、単元で扱われている内容の全体像がつかめてきて、その段階で初めて腑に落ちる解説もあるでしょう。最初は完璧主義になりすぎず、物理で出題される問題の全体像を把握していくことを心がけるのがおすすめです。
もし、物理を初めて勉強するという人で、この「面白いほどわかる本」の解説がわかりにくい箇所が多すぎる場合は、別途講義系の物理の参考書をもう一冊用意して併用する方が良いでしょう。おすすめのテキストとしては『宇宙一わかりやすい高校物理』などが挙げられます。理解が難しい単元については別の参考書の説明も一緒に読むことで、理解しやすくなる場合が多いです。
基礎の基礎の部分を固めてから、難しい問題集にステップアップするための一冊として「面白いほどわかる本」を活用することをおすすめします。
この1冊が終わったらワンランク上の問題集も
「面白いほどわかる本」は基礎事項の理解は十分活用できますが、ここに掲載されている問題だけで実際の入試問題に対応するのは難しいところもあります。そのため過去問演習に進む前に、1ランク上の問題集で頻出の問題の解法パターンをマスターすることがおすすめです。
重要問題集など、物理の入試問題で品質の問題が掲載されているものを選び、繰り返し説くことで基礎問題を反射的に解ける実力を養ってください。もし分からない問題が出てきたら、基礎事項の見直しをするため、該当する範囲の「面白いほどわかる本」の解説に戻って知識を整理しましょう。
この作業を繰り返すことで、解けなかった問題の原因がクリアになり、自分の知識の弱点を補強していくことが可能です。自分が分かっていないポイントがどこにあるかは、解説だけ読んでいてもなかなか気づけません。問題演習を通じて、間違ってしまった原因を分析することで理解が甘かった部分を見つけるのがおすすめです。
志望大学のレベルに合わせた問題演習を
物理を入試の得点源にしたいのか、それとも合格に必要な最低ラインをクリアできればいいのかによって最適な学習方法が異なります。 自分が志望している大学の物理の過去問をチェックして、必要とされるレベルを把握したうえで、マスターする問題集を選ぶようにするのがおすすめです。
もし、センター試験レベルまでの理解で十分であれば、「面白いほどわかる本」を何度も繰り返し学習して、基礎を固めていくことで対応可能でしょう。逆に、それ以上の実力が必要とされる場合には、別途問題集の追加や、過去問の演習を積む必要があります。
物理は、解法が分かっていればひねられた問題にも対応できるため、高得点が取れる状態になれば点数が安定しやすい科目です。そのためには、基礎となる公式や定理、頻出の問題の解法パターンが頭に入っていることが大切ですので、今回紹介した「面白いほどわかる本」をはじめとして、しっかりと基礎固めをしていくことをおすすめします。
まとめ
今回紹介した『漆原晃の物理が面白いほどわかる本』は、物理の初学者にもおすすめできる分かりやすい解説が特長の参考書です。
イラストも豊富で、先生と生徒の対話形式で解説が進んでいくので、物理に苦手意識がある人でも取り組みやすい内容になっています。この本で基礎事項をマスターしたあとは、入試で頻出の問題パターンが掲載された問題集を別途1冊追加したり、実際に受ける大学の過去問を3~5年分演習することで、合格に必要な実力を身につけていくことをおすすめします。
まずは、最初の一歩として「面白いほどわかる本」の内容をマスターしていってください。